【世帯消費】大切なものを後回しにしないための、”日常ととのえ消費”
世帯研究所が注目する、「世帯消費」=世帯を円滑に運営するために行われているさまざまな消費。
共働きで子育て中のS.Yさんは、まさに働き盛りの30代。仕事に家事に育児にと多忙な毎日。せわしく過ぎ去っていく日々の中で、家族にとって大切なことを見失わないよう、立ち止まって考える時間を創るための「ととのえ消費」が存在していました。
▼今回お話を聞いた方
働き盛りの30代。とにかく時間が足りない!
30代は、特に忙しい時期だと思うんですよね。仕事では責任が増えて働き盛り、一方で家庭では、私は小さな子を持つ父親でもあります。毎日があっという間に過ぎていく…。そんな未来を予想して転職したのが約2年前。前職はエンジニアです。学生時代の専攻を活かすことが出来て、日本のモノづくりを支えられる職場でした。しかし、時代と共に業界の将来に不安も感じていましたし、何しろ激務でした。時間がいくらあっても足りないんです!
子どもが生まれるタイミングだったので家族との時間がとれる環境、能動的にタイムマネジメントができる職場を求めて転職しました。ちょうどコロナ禍だったのでリモートワークも推進され、自宅で仕事ができるようになりましたね。自宅で仕事ができるので家事や子どもの送り迎えなどにも対応できています。転職して時間を創ることが出来てよかったと思います。妻も働いているのですが、家事や育児でキャリアを諦めないで好きな仕事を続けて欲しいという気持ちが大きいですね。
夫婦共に働いているから、わが家の命題はいつも「時間の使い方」になってくる。消しても消しても降ってくるタスクに振り回されていては、家族にとって大切なものが後回しになってしまいますからね。
あっという間に走り過ぎていく毎日の中でも、立ち止まって息を整えるように家族がしっかり向き合える時間や、将来について考える時間を創るために、出来る限り効率化を心がけて最適解を探っています。
タイムパフォーマンス向上を重視
時間の使い方は、前職の時から特に意識するようになりました。やるべき事に対して、限られた時間でどう対処したらいいのか。タスクマネジメントは得意です。最近は家事の時間を減らすために全自動洗濯乾燥機を購入しました。それまでは干して取り込む時間が必要でしたが、今はボタンひとつで一気に終わります。そこで生まれた時間は、睡眠時間や家族とのひと時に。もともと洗濯は僕の担当でしたが、労力がかからなくなったので妻がやってくれる時もあります。
家事を効率化するアイテムは、目星がついたらすぐに妻と共有します。多くの場合、妻も賛成してくれますし、価格交渉も任せてもらえるので決めたら早いですね。
この間は、ロボット掃除機も購入しました。あらかじめ時間を設定して掃除するようにできるので便利ですよ。家族でお出かけしている間に家を綺麗にしておいてくれるんです。買ってよかったなと思います。最新家電は好きですが、別に家電にこだわっているわけではありません。同じコスパなら家事代行サービスでもいいんです。重要なのは、時間をかけたくない家事をどうすればカットできるか、ですから。
決して家事が嫌いなわけでもないんです。夫婦共に料理が趣味なので、カレーはスパイスを組み合わせてじっくりつくることもあります。夫婦でキッチンに立つので、コミュニケーションの機会にもなっています。この頃は、レンタル畑を使い、子どもと一緒に野菜の栽培にもチャレンジしていますね。食育にもなりますし、自分で育てて収穫した野菜は子どもも食べてくれます。家事の中にも、家族にとって有意義だと感じるものには丁寧に時間を使うようにしています。
もし、時間や場所の制約がなくなったら家族とどう過ごすか…。
今は、仕事や子育てのことを考えて住まいを選んだり、忙しい中でいかに時間を創るかに注力していますが、もし、時間や場所にとらわれず自由なことができるとしたら、その時々で住む場所を変えて、暮らすように旅をしてみたいですね~。暮らす場所ごとに、さまざまな経験ができますし、自然やその地域の文化も味わえる。妻も喜ぶし、子どもにも良い機会になるかと。そういう生活に豊かさを感じますね。
僕は、長野県の星がきれいに見える小さな村で生まれました。学生時代も大自然を感じる北海道で、美味しいものを食べながら過ごしてきたので、今でも自然が大好きですし、キャンプも好きで家族や友人とよく行きます。
多忙で時間に限りもある現状ですが、制約から自由になり、家族や自分自身と向き合いながらゆったり生きる。そんなことができれば最高ですね。
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